大気有害物質特論で毎年3問【有害物質処理方式】攻略マニュアル

公害防止管理者
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公害防止管理者(大気関係)の受験科目「大気有害物質特論」で、特に頻出なのが「有害物質処理方式」です。

毎年3問出題されています。

10問中3問なので超重要。合否を左右します。

ここはしっかりと押さえておきましょう!

フェルたん
フェルたん

有害物質処理方式って、毎年出てて重要なのは分かるけど、

なんか覚え難いのよね…

たまお
たまお

そんなことだろうと思って要点をまとめてみたよ!

関連の過去問も集めておいたからね!

≫ 大気有害物質特論「有害物質の測定」はこちら

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有害物質処理方式とは?

有害物質処理方式とは?
Photo by Pixabay on Pexels.com

有害物質処理方式とは、その名の通り、有害物質を無害にして放出させるための処理方法です。

特に頻出なのが、ガス吸収装置に関する問題です。

ガス吸収装置とは、ガス中の特定成分を液体に吸収させて分離するもので、2種類あります。

それぞれの装置名、特徴、分類をしっかり覚えておきましょう!

★「ガス吸収装置」は2種類

ガスヘンリー定数(H)抵抗支配ガス吸収装置
溶けやすいガス側液分散形
溶けにくい液側ガス分散形

「液分散形」吸収装置

溶解度の大きい(溶けやすい)ガスに使用されます。

液分散形装置覚えておくべき特徴
充填塔構造が簡単で広く使用されている
スプレー塔圧力損失が極めて小さい
サイクロンスクラバー径が大きくなるほど能力が下がる
ベンチュリスクラバー圧力損失が大きい
ぬれ壁塔吸着時に発熱するものに有効(冷却が容易)
十字流接触装置飛沫同伴が大きい

「ガス分散形」吸収装置

溶解度の小さい(溶けにくい)ガスに使用されます。

ガス分散形装置覚えておくべき特徴
段塔圧力損失が大きい
気泡塔圧力損失が大きい
ジェットスクラバー液ガス比が大きい
漏れ棚塔大型の吸収装置向け(石灰スラリー吸収法など)

「有害物質処理方式」の勉強法

有害物質の測定の勉強法

装置名だけだとイメージが湧かないし、覚えにくいですよね?(笑)

公式テキスト(通称:電話帳)では、それぞれの装置が図解で詳しく解説しています。

試験問題は全てここから出ると言われているので、これを完全に理解すれば理論上満点合格できます。

結構なボリュームですが、合格のためには必要な投資と考えましょう!

公式過去問集公式科目別問題集と合わせて学習すれば効果的。こちらも必須アイテムです。

★公式テキスト(通称:電話帳)

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「有害物質処理方式」の過去問にチャレンジ!

それでは、過去問で実戦を積んで行きましょう!

フェルたん
フェルたん

最初はさっぱり分からなくて愕然とするかもしれません。

私もそうでした。

でも大丈夫!

丸暗記するしかないのですから!

ポイント!

過去問は、正解を当てるだけではなく、他の選択肢も理解することが重要です!

令和2年(2020年) 問3

ガス吸収に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1.  酸素のように水に比較的溶けにくいガスでは,気相中の溶解ガスの分圧は,その液中濃度に比例する。
  2.  塩素の水への吸収は,塩化水素が選択的に生成する化学吸収である。
  3.  一酸化炭素の水への吸収は化学反応を伴わないので,物理吸収と呼ばれる。
  4.  ふっ化水素の水酸化ナトリウム水溶液への吸収では,ガスの平衡分圧は 0 としてよい。
  5.  二酸化硫黄の亜硫酸ナトリウム水溶液への吸収では,液組成や温度などで決まる一定の分圧を示す。

令和2年(2020年) 問4

ガス吸収における二重境膜説に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1.  ガス側にも液側にも乱れのない薄い境膜が形成される。
  2.  気液界面での物質移動の抵抗は無視できる。
  3.  気液界面では常に非定常状態で吸収が行われる。
  4.  ガス境膜内での被吸収物質の拡散の推進力は,ガス本体と界面の分圧の差である。
  5.  液境膜内での被吸収物質の濃度は,界面から液本体に向かって直線的に変化する。

令和2年(2020年) 問5

サイクロンスクラバーに関する記述中,下線を付した箇所のうち,誤っているものはどれか。

円筒状の塔内を⑴旋回上昇するガスと⑵塔中心の垂直管にある多数の噴霧孔から⑶半径方向に噴霧される液滴とを接触させる方式であり,液滴の大部分は塔壁部で捕集される。⑷難溶性ガスの吸収に適しているが,サイクロン径が⑸大きくなるとガスの吸収効率は低下する。

令和元年(2019年) 問3

気液向流の吸収塔では,下に示す X-Y 線図において,塔頂,塔底の状態を表すT点(x2,y2),B 点(x1,y1)を結んだ線が操作線となる。他方,平衡関係は曲線 OEで表される。ここで,液ガス比を表す式として,正しいものはどれか。
気液向流の吸収塔

令和元年(2019年) 問4

液分散形ガス吸収装置の一般的な運転条件において,圧力損失の最も小さいものはどれか。

  1.  サイクロンスクラバー
  2.  スプレー塔
  3.  ベンチュリスクラバー
  4.   充塡塔
  5.  十字流接触装置

令和元年(2019年) 問5

ガス吸着に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1.  吸着量は,ガス濃度(分圧)と温度により変化する。
  2.  吸着等温線は,一定温度におけるガス濃度(分圧)と平衡にある吸着量の関係を表すものである。
  3.  ラングミュアーの式は,吸着層が単分子層からなるものと仮定して,理論的に導かれたものである。
  4.  フロイントリッヒの式は,低濃度域の実験値の整理に適用され,比表面積の算出によく用いられる。
  5.  BET の式は,吸着層の上にさらに吸着が生じる,多分子層吸着をモデル化している。

平成30年(2018年) 問3

ガス吸収装置に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1.  溶解度が大きなガスではガス側の抵抗支配となるので,ガス分散形を選ぶ。
  2.  液分散形では,有効接触面積を大きくするために,液を小滴にする。
  3.  ガス分散形では,気泡を乱流状態にするように工夫する。
  4.  吸収装置の形式や材料の選定に際しては,ガスや液の腐食性,吸収液の発泡性を考慮する。
  5.  装置の閉塞が起こりにくく,維持管理が容易なことが必要である。

平成30年(2018年) 問4

ガス吸着における吸着等温線を表すラングミュアーの式として,正しいものはどれか。
ただし,p はガス分圧(Pa),q は p と平衡な吸着量(kg/kg)であり,a と K は定数とする。
ラングミュアーの式

平成30年(2018年) 問5

ガス中の塩化水素の処理に関する記述中,ア~ウの   の中に挿入すべき語句の組合せとして,正しいものはどれか。

塩化水素の水に対する溶解熱は ア ,ガス中の塩化水素濃度が高いときには吸収装置として イ が用いられ,ガス中の塩化水素濃度が低いときには ウ が用いられる。

     ア    イ    ウ

  1.  大きく  ぬれ壁塔  充塡塔
  2.  大きく  漏れ棚塔  充塡塔
  3.  大きく  漏れ棚塔  段塔
  4.  小さく  漏れ棚塔  段塔
  5.  小さく  ぬれ壁塔  充塡塔

平成29年(2017年) 問3

ガス吸収による有害物質の処理操作の特徴に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1.  ほぼ 100 %の除去率を容易に得ることができる。
  2.  集じん,ガスの冷却などを兼ねることができる。
  3.  処理コストは比較的低廉である。
  4.  有害物質を溶解した吸収液の腐食性に注意する必要がある。
  5.  排水処理施設の設置が必要になる場合がある。

平成29年(2017年) 問4

充塡塔に関する記述中,下線を付した箇所のうち,誤っているものはどれか。

表面積の大きな充塡物を詰めた塔内に吸収液を⑴上部から流し,ガスと向流に接触させる⑵ガス分散形の装置である。充塡物としては,磁器類,合成樹脂,ステンレス鋼などでつくられた⑶ラシヒリングやテラレットがある。ガスの圧力損失には,⑷充塡物の種類や大きさのほかに,⑸液やガスの流量が関係している。

平成29年(2017年) 問5

活性炭によるガス吸着処理に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1.  一般に,非極性物質よりは極性物質の吸着に優れている。
  2.  一般に,炭素数の大きい炭化水素を吸着しやすい。
  3.  排ガスの処理や有機溶剤の回収には,主にガス賦活炭が用いられる。
  4.  アンモニアなど塩基性ガスの吸着には,酸性成分添着炭が有効である。
  5.  破過時間は,活性炭の交換時期を知るための重要な情報となる。

平成28年(2016年) 問3

ガス吸収による有害物質の処理に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1.  水に比較的溶けにくいガスの場合,その気相中の分圧は,その液中濃度に比例する。
  2.  塩素の水への溶解度は,一酸化炭素のそれよりも大きい。
  3.  ふっ化水素は,水酸化ナトリウム水溶液への吸収において,液組成や温度などで決まる一定の分圧を示す。
  4.  ガス吸収の速度を考える場合,二重境膜説は有用な学説である。
  5.  境膜内の被吸収物質の拡散は遅いので,物質移動の抵抗になる。

平成28年(2016年) 問4

液分散形ガス吸収装置とその特徴の組合せとして,誤っているものはどれか。

    (装置)           (特徴)

  1.  充塡塔        構造が簡単で広く使用されているが,液に固形分を含むと固着・目詰まりを生じる。
  2.  スプレー塔      ガスの圧力損失が小さいが,偏流を生じやすい。
  3.  サイクロンスクラバー 構造は比較的簡単であるが,サイクロン径が大きくなると効率は低下する。
  4.  ベンチュリスクラバー ガスの圧力損失は小さいが,液ガス比は大きくなる。
  5.  ぬれ壁塔       ガスの冷却が容易であり,発熱性のガスに適する。

平成28年(2016年) 問5

ガス吸着装置に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1.  固定層吸着装置には,粒状の吸着剤を充塡した層にガスを通すものや繊維状活性炭を使うフィルター形式のものもある。
  2.  固定層吸着装置で,ガス濃度が高く連続的な吸着を行う必要があるときは,2 基以上の吸着塔を用いて吸着‒脱着のサイクルを繰り返す。
  3.  移動層吸着装置では,吸着剤を充塡状態で上部から下部へ移動させ,ガスを向流あるいは十字流で接触させる。
  4.  ハニカム状の円筒形に成形した吸着層を連続回転させて,吸着と脱着を連続して行う移動層吸着装置がある。
  5.  流動層吸着装置は,移動層吸着装置よりも吸着剤の摩損が小さい利点がある。

平成27年(2015年) 問3

ガス吸収に関する記述中,ア~ウの   の中に挿入すべき語句の組合せとして,正しいものはどれか。

水に比較的 ア ガスの溶解については,ヘンリーの法則は成立しない。しかし,これらのガスでも分圧が イ 場合には近似的にヘンリーの法則に従うとみてよい。ヘンリー定数は一般的に温度が ウ と大きくなる。

     ア     イ   ウ

  1.  溶けやすい  低い  高い
  2.  溶けにくい  高い  低い
  3.  溶けやすい  高い  高い
  4.  溶けやすい  低い  低い
  5.  溶けにくい  低い  高い

平成27年(2015年) 問4

圧力損失の最も小さな液分散形ガス吸収装置はどれか。

  1.   充塡塔
  2.  スプレー塔
  3.  サイクロンスクラバー
  4.  ベンチュリスクラバー
  5.  十字流接触装置

平成27年(2015年) 問5

ガス吸着に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1.  吸着剤の充塡層にガスを流すと,吸着は充塡層の比較的狭い範囲(吸着帯)で行われ,この吸着帯は時間とともに移動する。
  2.  充塡層出口ガス中の被吸着物質の濃度が,ある時間以降,急激に増加することを破過という。
  3.  被吸着物質の分圧が下がると,吸着量は減少する。
  4.  被吸着物質の温度が上がると,吸着量は増加する。
  5.  吸着等温線は,一定温度におけるガス濃度と平衡吸着量の関係を示すものである。

平成26年(2014年) 問3

充塡塔でのガス吸収における用語とその説明の組合せとして,誤っているものはどれか。

     (用語)          (説明)

  1.  ガス空塔速度    充塡物がないと仮定した場合のガス流速
  2.  液ガス比      吸収液と被処理ガスとの流量比
  3.  ホールドアップ   充塡層内の液の保有量
  4.  ローディング    充塡塔に充塡物を満たすこと
  5.  フラッディング   液保有量が急速に増加して,ガスが液中に分散して上昇すること

平成26年(2014年) 問4

漏れ棚塔に関する記述中,下線を付した箇所のうち,誤っているものはどれか。

漏れ棚塔は⑴多孔板塔の一種であり,⑵開孔率が小さく,越流管がなく,液とガスは開孔部で⑶向流接触する⑷ガス分散形の吸収装置である。⑸石灰スラリー吸収法排煙脱硫装置など大形の吸収装置に適している。

平成26年(2014年) 問5

ガス吸着において,除去量が増加する条件又は手段として,誤っているものはどれか。

  1.  被吸着物質の分圧が低下する。
  2.  吸着温度が低下する。
  3.  吸着剤の使用量を増やす。
  4.  比表面積の大きな吸着剤を用いる。
  5.  被吸着物質が硫化水素の場合には,アルカリ成分を吸着剤に添着する。

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行政書士、個人投資家、理系女子、資格マニア、クラシック音楽の人。大手IT企業を華麗に退職してブラック企業を彷徨い人生絶望。このままでは終われない→猛勉強して行政書士一発合格!「人生は自分で描くもの」を実践中!

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