学校のいじめ、非常に重い永遠のテーマです。しかも身近にあって誰でも被害者になり得る問題です。その対象が大切な我が子だったら・・・
子どもがいじめで苦しんでいるとき、親はどう対応すべきか・・・。
我が子の場合は、先生からのいじめでした。
ここでは私達家族の体験を元に対応策を考えて行きます。
★著者について★
小学校4~5年生にかけて不登校となった男児の母。原因は、先生からの暴言、暴力、ひいき、いわゆる「いじめ」です。学校は、子供同士のいじめには積極的?ですが、加害者が先生となると一変して保身に走ります。
とても長く心が締め付けられる日々でしたが、最終的には担任と校長に全面的に謝罪させました。しかし、それで晴れて学校に行けるようになった訳でもなく、学校への不信感が消える訳でもありません。結果的にわが家が選んだ道は「転校」でした。
世の中には同じように苦しんでいるお子さん、ご家族がたくさんいると思います。私達家族の闘いが同じように苦しんでいる方達の力になればと思い、思い切ってこの経験を共有させて頂くことにしました。
先生の「いじめ」の実態
- 「○○さんがそんなことするはずない。あなたが絶対にその前にやられるようなことをしたんでしょ?」・・・クラスメイトに蹴られて先生に訴えた時。
- 「絶対に答え先に見たでしょ?」・・・暗算が得意な息子が計算問題を即答した時の先生の言葉。
- 「嘘言うな!」と言いながらノートが破れるまで机に叩きつけた・・・先生と話し合いをしている最中。
- 「先生を尊敬しなさい。心から尊敬しなさい」・・・これは呆れて何も言えませんでした。尊敬するしないは子どもたちが決めることであって、強要することではありません。少なくとも先生は尊敬される行動をすべきと思います。
ここで挙げたのは極一部です。先生は自分の言うことを聞く特定の子どもだけをかばい、それ以外は徹底的に排除しました。私の息子は言うべきことは言うタイプなので、まんまとターゲットにされたということです。こんな先生が道徳の授業をしていると聞いて愕然としました。学校の実態は想像を絶するほど酷いものでした
そしてついに息子は理不尽だらけの学校に嫌気がさしてついに不登校になりました。正確には私達が行くのを止めさせました。
学校はやたら「話し合い」をしたがる
学校はいろんな子供が大勢集まる所です。性格や体格、家庭環境も様々です。発展途上の子ども達の間では毎日いろんな問題が起きるのは当然です。
でもそれは「話し合い」で解決するのでしょうか?
「話し合い」という名の取り調べ
学校は問題がある度に、当事者の子ども達を別室に連れて行き、先生立会いのもと「話し合い」をさせました。しかしその実態は、いつどこで誰が何をしたかを先生が「取り調べ」する場だったのです。目撃者がいる場合には、その子からも聞き取り調査をしていました。まるで警察ですよね。そんなことをしたら子ども達は委縮して本当のことを話せなくなるばかりでなく自分は悪くないと保身に走ってしまうのは容易に想像できると思います。もはや「話し合い」ではありません。「犯人探し」、「尋問」です。先生が上に報告するためなのでしょう。そこに子ども達への愛情や正義感などありません。
そうして子供たちは溝を深め、親にも飛び火して話は大きくなっていきます。先生は公平に話を聞く訳でなく、自分に従順な子の肩を持つので、まとまる話もまとまるわけがありません。
「話し合い」で解決するなら世界に戦争は存在しない
「話し合い」で解決するというのは現実から逃避した幻想にすぎません。それは現実社会を見れば火を見るより明らかですよね。話し合いで解決するなら世界に戦争は存在しないはずです。
どうしても合わない、理解できない相手がいて揉め事が絶えないなら、それは距離をおくしか方法はないのです。
無理に話し合いをさせたら感情的になって更にいがみ合うことになりかねません。
「話し合い」で学校に行ったら負け
学校に問い合わせをすると、決まって「学校で話し合いをしましょう」と言います。仕事帰りにしか行けないと伝えると、18時以降は学校閉めるので日中来て下さいと。相手への配慮というものはカケラもなく、どこか上から目線というのが学校です。
学校は完全にアウェイです。アウェイでは言いたいこともきちんと言えなかったりします。学校の狙いはそこにあります。保護者と学校で面会して「話し合い」をした、という事実を作りたいだけです。
まずは電話で十分。それでこじれる様であれば次の手段です。学校に行くのはあくまでも最終手段、弁護士を連れて行く時だけです。
学校との電話は全て「録音」する
録音は客観的な証拠になります。また録音することで自制心が働くので、自分からの暴言・失言の類を抑える事ができると思います。
電話の冒頭に録音させてもらうと伝えれば、相手も下手なことは言えなくなるはずです。同時に、こちらの本気度も示す事が出来ます。
ただ、この段階まで来たら、お互い対決姿勢が鮮明になると思うので、電話でのやり取りは極力避けた方が良いでしょう。次のステージです。
学校とのやり取りは「文書」に徹する
電話や直接会って話をしたとしても、必ずと言っていいほど「言った言わない」で揉めます。録音していると言ったとしても「そんな意味で言ったのではない」と誤魔化されるかもしれません。
絶対に逃げられないようにするためには「文書」です。文書で要求し、文書で回答をもらうことに徹することです。文書は音声よりも強力な証拠になりますので、最終的に裁判までもつれ込んだとしてもそのまま使えます。
配達記録郵便で送る
普通郵便で送った場合、「受け取っていない」「見ていない」と白を切られる可能性があります。しかし「配達記録郵便」なら逃げられません。
法的に受け取った証拠となるからです。読んでいないという言い逃れは通用しません。相手も普通郵便ではなく「配達記録郵便」で送られて来たら、これはただ事ではないと感じるはずです。
こちらの本気度を示すため、そして相手を逃がさないためにも「配達記録郵便」で送り付けましょう。
解決しないなら階層を上げて送る
文書を出しても満足する回答が得られなかったり、期限内に回答が来ないかもしれません。その場合は、躊躇せず階層を上げて文書を送りましょう。つまり、宛先を上司にして送るということです。
担任→教頭→校長→教育委員会教育長
私の場合、教育委員会教育長まで行きました。結果的にそこまでいかないと学校は動かない、上の圧力がないと学校は動かないと実感しました。
それでも解決の糸口が見つからなかったら
市長、市議会議員、弁護士、マスコミ、YouTuber・・・
ここからは更なる労力が必要となります。弁護士はお金も掛かります。良くご自分で調べて最善の方法を取ってください。
地元でいじめ問題に取り組んでいる議員がいるのなら一度相談してみるのも手です。いずれにしても親身になってくれる人を探しましょう。ここまで来たら精神的にも体力的にも相当キツイと思いますので、一緒に取り組んでくれる人を見つけること事が重要だと思います。
目的は子どもの健全な復帰です。最低限ここまで回答が得られれば許すという着地点を予め決めておくと良いと思います。
診断書は必ず書いてもらう
「診断書」は第三者からの説得性のある強力な証拠です。不登校になっているのはズル休みをしている訳ではなく、精神的に追い詰められているからということを客観的に示してくれます。精神科でなくても大丈夫です。
息子の場合は、いつも診てもらっている内科の先生に書いてもらいました。とても親身に相談に乗ってくれて、診断書には「学校の先生による依怙贔屓、一方的な叱責、理不尽に怒られること等が原因で、医学的に精神的サポートが必要な状態」と明確に記載して頂きました。
結果的に、これが揺るぎの無い客観的な証拠となり、学校側は謝罪するしか無くなったのだと思います。
無理に学校に行かせない
よく勘違いをしている人がいますが、小学校に行かせる=義務教育 ではありません。教育の機会を保護者が提供することが義務教育です。教育の場が小学校である必要は無いのです。家庭で勉強を教えたり塾に行ったりすることで国民の義務は十分果たせているので安心して下さい。
不登校になったからと言って内申点が下がる訳ではありませんし、協調性が育まれない訳でもありません。むしろ学校へ行くことの害悪の方が大きいと思われる場合には躊躇なく休ませるべきと思います。
不登校でも成功した人はたくさんいる!
今どき不登校は決して珍しくありません。息子の学校にはクラスに1~2人はいました。これは意外でした。最近は根性論で無理に行かせたりしない理解のある親御さんが増えてきているからなのかもしれません。
そして不登校の過去があっても社会的に大成功した人がこんなにもいます。むしろ飛びぬけた才能が常人には受け入れられなかったのかもしれません。
- イーロンマスク(テスラ、スペースX 創業者)
- 米津玄師(シンガーソングライター)
- 星野源(シンガーソングライター)
調べれば驚くほど沢山います。これを不登校のお子さんに伝えれば勇気付けられるかもしれません。
闘いの結末
息子は約1年不登校となり、その間家族で徹底的に闘いました。そしてようやく担任、副担任、校長から謝罪文を引き出しました。しかし先生がいじめの加害者であることについては終始認めることはありませんでした。
そんなモヤモヤもあり、学校に行けばいじめられた先生と顔を合わせることもある訳です。何事も無かったように学校に復帰させられる訳ありません。
この先、弁護士雇って裁判するか、マスコミにリークするか、地元の代議士に働きかけてもらうか・・・いろいろ考えました。しかし、どの方法で闘い続けて勝ったとしても学校に復帰することは出来ないだろうという結論に至りました。この先さらに時間と労力、お金も掛けて闘っても、本来の目的である学校への復帰は叶わないだろうと。
では、どうするか・・・
転校という選択肢
家族で相談した結果、「転校」を決意しました。家族で話し合い、息子本人も納得した上での結論です。これ以上闘っても先生とは一生解り合うことは出来ないし、不登校が長引くばかりと思ったからです。息子は良く言っていました。「先生がちゃんと謝ってくれれば直ぐにでも学校に行けるのに」って。
私の中で「転校」は常に選択肢にありました。しかし、先生がいじめを認めて誠実に謝罪し、復学へのサポートをしてくれるのであれば、仲の良い友達とも別れずに済みます。それが最善の道と考えていましたが、儚い希望で終わりました。
学校の先生とは一生解り合えないと思った瞬間、「転校」するしかないと決断しました。
転校をすぐ決断できた理由
「転校」という決断をするにあたり、本当に良かったと思うのは、住居が賃貸マンションだったことです。もし持家で住宅ローンを払っている状況なら身動き取れませんでした。
人生はその時々のライフスタイルで住むべき場所、必要な広さなどは変化するものです。結婚、離婚、転職、出産、子の独立・・・計画的なイベントもあれば予期せぬイベントも起こりえるのが人生です。ローン組んで住宅を購入することが如何にリスクでしかないことを痛感しました。
転校して本当に良かった
転校すれば先生、クラスメイトが良くなるのか?もしかしたら今より酷いことになるのでは?・・・確かに転校は「ガチャ」です。
でも住むエリアを選ぶことによってある程度避けられると思います。具体的には、治安の良い街、さらに言えば地価の高いエリアを選ぶことです。「子どもは街が育てる」とも言います。一般的に、地価の高いエリアは社会的地位の高い人や裕福な家庭が多く住んでいます。金銭的に困っていて荒んでいるような家庭は少なく、ストレスの少ない健全な子どもが多いと言えます。
学校もそんな社会的地位の高い保護者に対応できるよう、それなりの人材を配属します。
学校の人事異動にも「左遷」「栄転」は当然あります。
そんなこと言っても高い家賃払えないですよね。無理に家賃の高いエリアに引っ越して生活に困窮しては意味がありません。今の収入に見合った中で治安の良い街を選ぶしかないと思います。
まとめ
子どもの成長は本当に早いです。あっと言う間に掛け替えのない時間が過ぎて行きます。かと言って無理に復学させるわけには行きませんよね?
何よりも子どもが伸び伸びと健康に育ち、笑顔あふれる毎日を過ごす事が一番だと私達は考えました。幸いにも我が子はそれが出来ていたと思います。不登校にはなったものの子供の笑顔を守り切れたのはせめてもの救いです。
学校という組織は一般の常識からはかなり掛け離れていると感じます。それも想像のはるか上です。社会人の常識が通用しないというよりも、何か人として大切なものが欠け落ちていると思わざるを得ないことが沢山ありました。それも1人2人の先生ではありません。関わった先生全員です。もちろん世の中の全ての先生を否定するつもりはありませんが、腐敗が進んでいるのは確かだと思います。
転校を決断してからも親としては希望と不安が入り混じる落ち着かない日々でしたが、子どもは驚くほど柔軟です。新しい学校ではすぐに馴染んで友達がたくさん出来ました。親としてこんなに嬉しいことはありません。
転校はある意味「逃げ」かもしれません。でもあのまま意地になって闘い続けても得られるものは少なかったでしょう。結果論になりますが「転校」という判断が全てを良い方向に変えてくれたと思います。簡単に出来ることではありませんが、「環境を変える」ということが負の要素を断ち切るという意味で最も効果的なのかもしれません。
私達の経験が同じように悩んでいるご家族の参考になれば幸いです。
長い文章、最後までありがとうございました。
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